Archive for 8月, 2014

谷垣禎一法相は29日、武富士支店放火殺人事件で強盗殺人罪などにより死刑が確定した小林光弘死刑囚(56)=仙台拘置支所=と、群馬県内で対立する暴力団組長ら3人を射殺し殺人罪などで死刑が確定した元暴力団組長、高見沢勤死刑囚(59)=東京拘置所=の2人の死刑を執行したと発表した。
これで、2012年12月政権交代以来、谷垣氏は法務大臣就任以来合計11名の死刑を執行した。
この死刑制度の問題の一つは「冤罪」である。
無実の人が「濡れ衣」で、犯罪者扱いされ、「死刑」となる場合があることである。
この冤罪はよくある。
今年になってからも、静岡市(旧静岡県清水市)で1966年、一家4人を殺害したとして強盗殺人罪などで死刑が確定していたプロボクサー、袴田巌元被告(78)は14年3月に再審開始決定を受けて釈放された。
 この袴田被告の場合、再審請求が出されていたから死刑執行がされずに済んだ。もしも、再審請求がなされていなかったならば谷垣法務大臣は、「死刑」執行していたであろう。そして谷垣氏は袴田氏のことを「4人も殺害した極悪人」と記者会見の席で胸を張って述べたであろう。
 事実関係を知らない国民は、谷垣氏の記者会見のすべてを信じるであろう。
無実の人を法務大臣が「殺害」することがありうるということは非常に恐ろしいことである。
死刑制度は世界的に見て「廃止」されている国は多い。例えばオーストラリアでは、太平洋戦争の東京裁判の時、死刑という制度が無かったため、死刑となったA級戦犯者たちに対して、ウェブ裁判長(オーストラリア)自身は被告人全員の死刑に反対票を投じている。

 死刑制度とは国家が、裁判官が、法務大臣が判断して行う制度。
これを許すことの是非。いくつかの角度から「死刑」制度は問われる。
前述のとおり「冤罪」の角度からの問題がある。
刑法には「疑わしきは被告人の利益に」という言葉がある。
それは、「無実の人を罪にしてはならない」とう点を重視しているからである。
刑法を適用する場合「積極的に死刑を適用すべきか」それとも、冤罪を防ぐために、死刑の適用を止める」とするべきか。
国民は、「犯罪者の真実」は、ニュースで知らされるだけのことしか知らない。
「ニュースが伝える犯罪者の真実」は作られた真実かもしれない。
 国民にとって安心できる社会はどちらであろうか?

谷垣氏のように積極的に1年数か月で11人も「死刑執行」することには賛成できない。
「冤罪」を避けることに重点を置き、死刑制度は慎重に扱われるべきである。

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